朝4時。外は雨。本降りというわけではなさそう。
まぁここから100km近く離れた天草(本渡)がどれだけ降っているのか・・・
雨というのは事前の天気予報でわかっていたので、とりあえず現地まで行き様子をみて走る走らないの決断をしようと決めていた。
事前に車載していたバイクとウェアなど忘れ物がないか確認し、コンビニで食料を買い込んで天草へと向かった。
伊佐津漁港到着。そしてブリーフィング


本渡に入ってから今回一緒に走る仲間とコンビニで合流。そして本渡市の伊佐津漁港に到着。だいたい7時ぐらい。
雨は小粒の本降りといった感じ。
駐車場では雨の中せっせとバイクの準備をする人もいれば、参加賞を受け取り帰っていく人もいる。
さて、我々はどうしたのもか。
走る? or 走らない?
ぼくの中で走らないという選択肢はなくて(珍しいw)、「これぐらいの雨なら走るでしょ!」ぐらいのテンションだったので受付を済ませてそそくさと準備を始める。
この日のために無理して購入したRaphaのCLASSIC RAIN JACKETⅡ
「この日のために無理して~」なので走らない理由が見当たらない。走らないともったいない。
今回、どれぐらいの方がエントリーしていたかわからないけどブリーフィングの人数を見ただけでかなりの数の人が出走を見合わせたことがわかる。それぐらい人が少ない。
なんとなくのブリーフィングが終わるとなんとなくスタート地点へと誘導が始まる。このスタート地点での並びが今日のぼくの走りを決めていたといっても過言じゃない。
スタートからの第1エイド

スタート地点で並ぶ。ほぼ最前列。
初参加のぼくは仲間に言われるがまま前列付近に陣取った。なんでもスタートは50人単位で走りだすため後ろのほうにいると待ち時間が長いらしい。そしてその間寒い思いをしないといけないらしい。
ということで最前列付近。確かに後方は長蛇の列。

時刻は8時。過酷なサイクルマラソンの火蓋は切って落とされた。
最前列に陣取っていたお父様方は初っ端から飛ばす飛ばす。汗
その引きに遅れることがないようにペダルを漕ぐ。
後続に迷惑をかけないようにペダルを漕ぐ。
漕ぐ、漕ぐ。漕ぐ・・・
この頑張りがぼくの足を終わらせたことをあとになって思い知らされる・・・

市街地を抜けたあたりから仲間を含む先頭集団との差が開き始めた。後続にもバンバン抜かれ始める。大丈夫!想定内だ。135kmは始まったばかり。無理は禁物さ(もうすでに無理してるw)
ちょっと小腹が空いたと思っていたときに第1エイド到着。まだ雨は降り注いでいる。


第1エイドは飲み物とお菓子類をご準備いただいていた。
スポーツドリンクを2杯ほど飲み干しチョコとゼリーをフードポーチに放り込んで先に進む。このときはまだ元気。心は・・・
第1エイドから第2エイド

第2エイドは牛深。ここから約40kmある。そしてここからアップダウンの始まりはじまり。登り嫌だなぁ。涙
エイドで落ち合った仲間とは登りがはじまった時点で先に行ってもらう。第2エイドで会いましょう!
登りはマイペース。何台抜かれようとも構わない!ゴーイングマイ・ウェイさ!とばかりに亀走法を決め込んで登っていく。脚の負担は計画的に。
途中景色の良いところで写真を撮る。これが良いリフレッシュになったりする。


登りから下りに変わり下り終えようとした矢先、事態は動いた。
左ふくらはぎがーーーー攣った!!!!!!!
正直びっくりした。亀走法で登りをやり過ごしたのになんで脚が攣るの?負担は計画的にしたじゃない?
とりあえずバイクの上で軽くストレッチをしたおかげで攣りは軽減。若干の違和感を残しつつ先へと進みます。
国道266号線に入ってから牛深方面へ。少なからずアップダウンあり。
ふくらはぎの攣りとのせめぎ合いw
雨は徐々に小康状態。
国道266号線から県道35号線につながる道でまたしても事態が動いた。
太ももがーーーー攣ったーーーー!!!!!!!それも両脚!!!!!!!
なんてことだ・・・大腿四頭筋(太ももの前側)が攣った。それも両脚・・・ちょっとした坂を越えるときにダンシングしてみたら攣りやがった。
足の負担を減らすためにやった「(なんちゃって)休むダンシング」が裏目に出た。日頃できもしないことをやるからこんなことになるんだ。涙
近くにあった手すりに捕まりバイクを停めてぼくもバイクも停止状態。
ビンディングからシューズを外したいけれど少しでも動こうものならまた攣る。
じっと我慢。
攣りが去って?いったころを見計らってストレッチ。でも”ヤツ”が潜んでいるのを感じる。
「変な動きしてみろ!いつでもコイツ(太もも)を腓返してやるからな!」
これから先、”ヤツ”との共存共栄がはじまった・・・
第2エイドから第3エイド

国道35号線に入ってから第2エイドまでがとてもとても長かったけど無事に?第2エイドに到着。この頃には雨も止む。
ここでは飲み物やお菓子、バナナをいただく。そしてここの目玉が・・・
「芝エビ入りちぎり揚げ」!!!!

これ美味!ホント美味!ホンマに美味!!
これ食べるために足攣りながら牛深まで頑張ったんやなぁ~と感無量。
多分一人1本だけど2本食べっちゃった。ごめんなさい。

先に着いていた仲間と談笑したら再出発。ここから第3エイドまで約30kmあり。普通なら大した距離じゃないけど・・・アップダウンの連続なんだよなぁ〜
脚攣り量産機と化したぼくには辛い・・・でも第3エイドは待望のご飯タイム!がんばっぺ!
第2エイドを出てからすぐのところに「牛深ハイヤ大橋」


まさかここに自転車で来ることになるなんてねぇ~と感慨深くなっていたのもつかの間、橋への登りでまたしても太ももの攣りがーーー!!!
少しの休憩ぐらいでは許してもらえないようです。涙
仲間とはここでお別れ。先に行ってもらいます。第3エイドで会いましょう!
ハイヤ大橋を渡り国道266号線に入ると目の前に山が。今回最大の試練(山)です。

車もアクセル全開。エンジンを唸らせながら登っています。そんな坂です。
残り半分以上を残してここで無理するわけにはいきません。地味に地味にゆっくりと亀走法です。歩いたほうが早いかも!?
なんとかかんとか最大の試練をやり過ごしたあとはご褒美タイムの下り。足を休められる。
ご褒美タイムが終わると平坦路へ。これがまた長い!向かい風でスピード出ない!1人寂しい。
国道389号線までとにかく我慢の走り。
国道389号線の曲がり角にスタッフの姿が。
よかった昼食までもう少し!と思ったのもつかの間。角を曲がってサイコンに表示されたのは「23.5kmを左折」の文字。
マジか・・・まだあと1時間以上ペダル漕がなきゃいかんのか・・・
途方にくれる私。
この頃からお尻の痛みがジワリジワリと湧いて出て♪
左手のひらも痺れてきたような気が・・・でも止まるわけにはいかない!先へ!
海沿いを走っていると「崎津教会」の文字がチラホラと。
2018年7月に世界遺産に登録され天草で今もっとも熱い場所。それが崎津集落。世界遺産に登録される前に何度かいったことあるけど今どんな感じになってるのかな?
とここで大きな勘違い。
第3エイドは崎津教会と大江教会の間にある体育館に設置されておるのですが、なにを思ったのか崎津にあると勘違いしてしまい崎津教会方面に向かってしまったのです。
だって崎津教会のほうに入っていくローディーが数名いたんだもん。

観光客で賑わう崎津教会を横目に見ながら数百メートル走ってふと気づく。
「コース間違えたっぽい・・・」
ナビはずっとコースミスのアラーム鳴らしてたのにね。ごめんよナビ。
思わぬタイムロス。コース復帰してからアップダウン&トンネルを亀走法でやり過ごす。
「早くサドルから降りたい!」「Bコース(96km)にしときゃよかった!」と心の声が何度吐き出されたことやら。とそのとき目の前にスタッフの姿が!
やった!飯だ!
こうして脚の攣りとお尻の痛み、そして手のひらの痺れを癒やすべく第3エイドへとたどり着くことができたのでした。
第3エイドから第4エイド

軽くグロッキー状態のぼくを仲間は温かく迎え入れてくれる。
走っているときは1人でもこうやってエイドで長い間待ってくれている仲間がいると頑張れる気がするんだよ。
さて待ちに待った昼食。
おにぎり2個に温かい豚汁。雨で冷えた身体に染み渡るぅぅぅ。涙

おかわりしている人もチラホラ。わかるよ!わかる!その気持ち!だって美味しいもん!
先に昼食を済ませたお仲間さんと談笑。そして相も変わらず先に行ってもらいます。第4エイドで会いましょう!
さてここまで来るとゴール時間が気になりはじめます。
只今の時刻は13時半。ゴール時間を逆算して割り出してみると・・・最終時刻に間に合うか微妙なところ。ちなみにゴールの最終時刻は16時。
ここから第4エイドの苓北までは25kmぐらい。
第4エイドの関門時間は15時30分でこちらにはトラブルが無ければ間に合いそう。第4エイドからゴールまでは約20km 15時前に出ればギリギリ間に合う。
ストレッチもそこそこに先を急ぎます。
と、急ぎたくてもそうは問屋がおろさないのが天草。
海沿いの山々をくり抜いたアップダウンのトンネルと天草灘から吹き付ける容赦ない向かい風。思うように進めない・・・気持ちはあせるばかり。
なんとか峠を越えていままで断崖絶壁の下にあった海が真横に見えるようになったころ、遠くに苓北の火力発電所が!あの先にエイドがーーーー!

ここからが向かい風との勝負。いや~いっちょん進まんばい。
火力発電所を過ぎたら第4エイドはすぐそこなのに全然近づいてこんば~い!
少しでも晴れ間が見えればぼくの気持ちも幾分晴れやかになるのに天草灘の空は厚い雲に遮られぼくの心をも遮っていくのです。
あぁ寂しいよ~涙
なかなか近づいてこない火力発電所を恨めしい目で見つめながら淡々とペダルを漕ぐ。
「あの発電所は蜃気楼じゃなかとだろうか?」心の声も淡々とこぼれでる。
向かい風との対決も終焉。蜃気楼じゃなかった火力発電所を横目に見ながら通り過ぎ、無事第4エイドまで辿りついたのです。
現在の時刻 14時50分
第4エイドからゴール

第4エイドでは「黒糖ドーナツ棒」を貪るように食す。ジャージのポケットにも数本偲ばせる。
黒糖ドーナツ棒の甘さが疲れた身体に染み渡るのを感じる。
地元の女子高校生がパンを勧めてきたけど触手が向かなかったのでパス。お仲間曰く絶品だったらしい。食べておけばよかったと今更後悔。来年までお預けだ。
待っててくれたお仲間と談笑。今度は一緒にゴールまで走ろうと言ってくれる。なんて優しい人たちなんだ。涙
仲良くエイドをあとにする。
でも、相変わらず付いて行けずに早い段階で1人旅。
ここまできてサイコンが省エネモードに突入。画面表示が消えた。お前もぼくを見捨てるのか・・・
ゴールまではほぼ平坦路。といっても若干のアップダウンはある。
脚がフレッシュな状態ならなんてことない斜面でも今のぼくには10%ぐらいある坂に感じてしまう。それぐらい体力ゲージとお尻ゲージが少ない。
もうお尻が限界だ。サドルから垂直に立ち惰性で走る回数が増えだした。
だってお尻がランブータンなんだもん。
ちょっと止まってリフレッシュ!なんてやってる時間はない。時間が惜しい。とにかく16時までにはゴールに着きたい。ぼくは時間内に完走したいんだ!
第4エイドからの景色をほとんど覚えていない。とにかく前に進むことだけに集中していたのかも。
ただ、時刻確認のために省エネモードのサイコンを何度も叩き起こしたことだけは覚えている。
鬼池港を過ぎたあたりから海が見えなくなってきた。ここを抜けて海が見えてきたらゴールだ。もうすぐだ!
サイコンを叩き起こし時刻を確認。
「よし!16時に間に合う!」
残り5km、3km、1km・・・サイコンの表記は135kmを過ぎている。でもゴールが現れない。不安になった瞬間、海が見えた!
見覚えのある景色。そうだスタート地点だ!佐伊津漁港だ!ゴールだ!!!
ゴール時刻 15時50分
目標の16時前でのゴールを達成。ギリギリでした。
先にゴールしていたお仲間さんたちがお出迎え。最後まで待たせてしまってごめんよ。
ゴール後は簡単なアンケートを記入。もうペンを握る力すらないよ〜
温かいあおさ汁でゴールの余韻にひたります。温まるわぁ〜
おかわりもできたみたいだけど、冷えて泥だらけの身体をいち早く温泉というイベントでクリアしたいのでそそくさと会場をあとにするのでした。


さいごに

なんとか無事135kmを走り切ることができました。
事前準備(走り込み)がほとんどできていない状態での100km超えは想像以上に過酷でした。
今思い返してみるとスタート直後のハイペースが脚攣りやお尻の痛みに響いたのだと思っています。あそこで無理をすることなくマイペースで走っていればもっと楽しく走れたはずだった・・・後悔先に立たずです。
ハイペースだけが原因というわけではなく、バイクのポジションがしっくりきていなかったのも1つの要因です。
いろんな準備不足がたたってのギリギリライド。
今後のライドの糧にして行きたいと思います。
走っている最中は「もう帰りたい!」を何度口にしたことか。でも2度と出ないなんて思いませんでした。
また出たい。今年の借りは来年晴らす!今はそんな気持ちです。
みなさまも楽しいライドを!
ではまた!